配偶者ビザの取得に必要な9つの条件

許可を受けるために満たさなければならないこと

配偶者ビザの許可を得るためには、原則として、このページに書いてある9つすべての条件を満たす必要があります。

9つの条件
  • 1
    日本人の配偶者であること
  • 2
    一定の収入があること
  • 3
    両国で結婚手続きが済んでいること
  • 4
    夫婦の実態があること
  • 5
    円滑なコミュニケーションがとれること
  • 6
    同居すること
  • 7
    これまでの在留状況(素行)が良好であること
  • 8
    短期滞在ビザからの変更ではないこと
  • 9
    技能実習からの変更ではないこと

ただし、例外として、「条件を満たすことができないが、〇〇〇〇〇なので、配偶者ビザを許可してほしい」と、合理的な説明ができれば、中には、配偶者ビザの許可を受けることができる条件もあります。

例えば、もし仮に【年収の条件】を満たすことができない場合でも、

収入アップする転職先からすでに内定をもらっている場合や、持ち家があるので毎月の家賃が必要ないといった事情を説明することができれば、許可を受けられる可能性があるということです。

条件1 日本人の配偶者であること

日本人と入籍し、配偶者としての地位・身分があること。

役場に婚姻届を提出して「入籍」することが求められます。

内縁・事実婚や同性婚パートナーの場合、配偶者ビザの取得は認められていません。

事実婚や同性婚が認められている外国で結婚の手続きが完了していても、日本で法律婚が成立しなければ配偶者ビザの許可を受けることはできません。

また日本人の配偶者と離婚・死別した場合も、「日本人の配偶者」であるという条件を満たさなくなってしまうので、新たに配偶者ビザを取得することはできません。

すでに配偶者ビザをもっている夫婦が離婚・死別した場合は、他の在留資格に変更する必要があります。
 

条件2 一定の収入があること

日本で安定した結婚生活を送れるように一定の収入が必要です。

基準となる具体的な金額が公表されているわけではありませんが、一般的には300万円が一つの基準となり、この金額以下になると不利な要素として扱われる可能性があります。

さらに生活保護の支給金額を考慮して、少なくとも年収240万円程度の収入は必要であるとも考えられています。

もしご夫婦が二人とも無職というような場合には、経済的に問題がある(安定した夫婦生活を送れない)として、ビザ申請が不許可になる可能性が高くなります。

一方のみが無職の場合には、預貯金などから当面の生活に問題がないことや、具体的にどのような求職活動をしているのか、今後どんな仕事に就ける可能性があるのかなど十分に説明する必要があります。
 

世帯単位で判断される

収入は、夫婦の合算で見てもらえます。

そのため、一方の収入が低い場合でも、他方に十分な収入がある場合には、条件を満たしているものとして判断してもらえる可能性が高いです。

この収入に関する条件を満たしていることを証明するために、配偶者ビザの申請では、以下のような資料を利用して夫婦に安定した生活するだけの経済力があることを証明します。

収入に関する条件を満たしていることを証明するための書類

  • 住民税の課税証明書(直近1年分)
  • 納税証明書(直近1年分)
  • 源泉徴収票(直近1年分)
  • 預貯金通帳の写し 
  • 決算書、法人税納税証明書(自営業者の場合)
  • 勤務先の在職証明書や会社案内
  • 履歴書・職務経歴書
  • 就職先の採用証明書 
  • 配偶者による身元保証書 など

条件3 両国で結婚手続きが済んでいること

配偶者ビザの許可を得るためには、日本と配偶者の本国の両方での婚姻手続きが完了していなければなりません。

日本の役場で婚姻届を提出して婚姻が成立している場合でも、配偶者の本国において結婚手続きが済んでいなければ配偶者ビザ取得の条件を満たすことができません。

国際結婚の手続きは、大使館などで書類の認証を受ける必要があるなど、少し面倒な手続きが必要になる場合があります。

まずは日本と配偶者の本国で結婚に関してどういった手続きが必要なのか確認するとこから準備をはじめてください。

結婚の手続きが済んだら、結婚したことの証明書を取得する必要があります。日本の場合には、結婚の事実が反映された戸籍謄本などが証明書として利用できます。

結婚手続きが済んでいることを証明するための書類

  • 戸籍謄本
  • 外国人配偶者の本国の公的機関から発行された結婚証明書

条件4 夫婦の実態があること

ただ単に結婚の手続きが完了しているだけでなく、夫婦としての実態が必要です。

配偶者ビザを取得できると日本での仕事の制限がなくなる(どのような仕事にも就くことができる)ため、配偶者ビザの取得を目的とする偽装結婚が後を絶ちません。

結婚は、書類さえ揃えて提出すれば、ある意味だれでも籍を入れることができるため、単に結婚の手続きが完了しているだけでは足りず、夫婦としての実態があるという条件が課せされて審査されます。

入籍したのに夫婦が日本国内で別居し、普段から交流や連絡もないという場合には、(戸籍上の婚姻は成立しているが)実際には夫婦としての実態が伴っていないものとして扱われます。

このような婚姻の実態が伴っていない場合には、配偶者ビザを取得することができません。

真実の結婚・夫婦であることの証明として、交際から結婚に至った経緯を説明する、交際中に撮影した二人のスナップ写真を提出するなどして、偽装結婚ではなく、真実の夫婦としての実態があることを証明する必要があります。

夫婦の実態があることを証明するための書類

  • 所定の質問書
  • 写真
  • メール、LINEなどのスクリーンショット
  • 生活状況説明書
  • 同一生計を証する説明書 など

条件5 円滑にコミュニケーションできること

共通の言語で、円滑にコミュニケーションとれることが要求されます。

もしかすると「身振り手振りだけで問題なくやっていけている」という方もいらっしゃるかもしれませんが、それだと配偶者ビザの許可を受けることはできません。

外国人配偶者が日本語を話すことができない場合には、日本人が、相手の母国語を話すことができる、または、二人とも英語を話せるなど、日本語以外の言語でコミュニケーションできることを立証する必要があります。

共通の言語で円滑にコミュニケーションできることを説明できなければ、夫婦の実態が伴っていない(十分なコミュニケーションがとれなければ夫婦とは言えない)として、条件を満たさず申請が不許可になる可能性があります。

円滑にコミュニケーションできることを証明するための書類

  • 日本語能力を証明する書類(日本語能力試験の合格証など)
  • 履歴書(学歴、職歴)
  • TOEICなど日本人の外国語の語学力を証明する書類

条件6 同居すること

何か特別な事情がない限り、同居が求められます。

配偶者ビザを取得する場面において、はじめから夫婦が別居するという場合には、不許可になる可能性が高くなります。

これは形式的に結婚手続きをしているだけでなく夫婦の実態が必要という条件にも重なります。

たとえ同居する場合でも、夫婦が同居する又は同居を予定する自宅が、単身者用のアパートという場合には、同居が疑わしいと判断されてしまい、これも配偶者ビザが不許可になる原因となってしまいます。

どうしても当初は別居が必要である場合には、別居がやむを得ないと言えるだけの合理的な事情を説明し、書類で立証することが必要になります。

同居している、同居予定であることを証明するための書類

  • 自宅の登記事項証明書(賃貸の場合は、賃貸借契約書)
  • 自宅の外観、部屋の写真
  • (同居できない場合)経緯を説明する書面、生計を同一にしていることを証明する入出金記録など

条件7 在留状況(素行)が良好であること

外国人配偶者がすでに日本で生活している場合や、これまでに日本に在留した経験がある場合には、滞在中の在留状況も審査されます。

入管法上の届出を履行していない、地域とのトラブル、不法残留(オーバーステイ)、不法就労、交通違反や犯罪行為の経歴がある場合には、不利な要素として厳しく審査されます。
 

軽微な交通違反がある場合

軽微な交通違反がある場合でも、配偶者ビザの申請では不利な要素として扱われしまいます。

交通違反がある場合には、どうして違反をしてしまったのかその時の状況や、自身の心境などを説明したうえで、二度と違反を起こさず、交通ルールを遵守することを約束する誓約書を提出すると良いでしょう。

この場合でも、単に、二度としませんということを紙に書いただけでは、意味がないので、違反についてなぜそのような違反をしてしまったのか、自分自身で自己分析をして、どうすれば再発しないようにできるのか対策を立てて、誓約書を読んだ審査官に納得感のある内容を、誓約書に書く必要があります。
 

不法就労がある場合

すで日本で生活している外国人配偶者が不法就労の状況でホステスなどの水商売をしているというケースがあります。

この場合には、日本人との結婚に伴い配偶者ビザの申請をしても、これまでの不法就労が不利な要素として厳しく審査されます。

ホステスなどの水商売を続けるために婚姻を偽装しているのではないかという疑惑を払拭できなければ許可を受けることは難しいです。
 

素行・これまでの在留状況が良好であることを証明するための書類

  • 配偶者による身元保証書
  • 外国人配偶者の本国発行の無犯罪証明書
  • 親族などの上申書
  • 誓約書、嘆願書 など

条件8 短期滞在ビザからの変更ではないこと

外国人配偶者が「短期ビザ」で日本に入国している場合、短期ビザから配偶者ビザへの変更は、原則として認められません。

短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更は、「特別な事情」がない限り認められません。

ただし、日本に入国した後、日本人と結婚したという事実が「特別な事情」として認められる可能性があります。

例外的に、入国管理局の窓口に相談のうえで、短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更申請について、受理の確約をもらえる場合には、短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更が可能な場合もあります。

単に通常どおり申請しても申請を受け付けてもらうことができないので、申請前にすべての資料を揃えた上で、入国管理局に相談することが必要とされています。

条件9 技能実習からの変更ではないこと

技能実習生が実習期間中に日本人と結婚しても、原則として技能実習ビザから配偶者ビザへの変更は認められません。

現行の技能実習制度は、技能を習得し本国に帰国して実習を通じて学んだ技能を生かして本国の経済発展に寄与することが目的とされてるため、実習中に結婚することは想定されていません。

そのため、特別な事情がない限りは、実習を最後まで修了し一度本国に帰国した上で、改めて配偶者ビザを取得して日本に入国することが基本となります。

例外として、女性の技能実習生が妊娠している場合や、すでに出産して子どもがいるような場合には、実習受入機関、監理団体、送出機関から承諾書を取得した上で、配偶者ビザへの変更が認められる場合があります。
 

まとめ

配偶者ビザを取得するためには、このページで紹介した9つの条件をすべてクリアする必要があります。

ただし、条件を満たしていないからといって許可の可能性がゼロということではありません。

許可のハードルは高くなりますが、特別な事情があり、かつそれをきちんと書面で立証できれば、中には許可を得ることができるケースもあります。

条件を満たしていない場合、単に入国管理局のホームページに記載されている資料のみを添付して申請しても、ほぼ確実に不許可になってしまいます。

何が問題になっているのか、その問題をクリアするためにどのようなことを主張・立証しなければならないのかを検討して、入国管理局に対して合理的、かつ説得的に説明する必要があります。

もし、配偶者ビザ取得の条件を満たすことのできない事情をお抱えの場合には、諦める前に一度当事務所の無料相談をご利用ください。

無料相談

配偶者ビザの申請は、自分たちでできると思われることが多いかもしれませんが、実際には単純に資料を提出すれば良いということではなく、真実の婚姻であること(就労目的の結婚偽装でないこと)を書面で立証する必要があるので、なかなか難しい申請であるといえます。

当事務所では、配偶者ビザについて無料相談を行っていますので、お気軽にご相談お問い合わせください。お一人おひとりに寄り添って、状況をヒアリングさせていただき最適な申請方法をご提案いたします。

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【自己紹介】
夫婦に関する書類作成、配偶者ビザ申請の専門家
行政書士アークス法務事務所代表
1980年八王子市生まれ、埼玉県在住。

夫婦に関する各種書類の作成、国際結婚に伴う配偶者ビザ取得サポートをする専門家です。
2014年の開業からこれまでの間に、8,000件以上のご相談に対応し、3,000件以上の書類作成実績をもつ、夫婦に関する法務サービスのスペシャリスト。

【所属・保有資格】
埼玉県行政書士会狭山支部所属
東京出入国在留管理局申請取次資格

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